- 考えると不快なのに、何故か相手のことを考えるのをやめられない。
- 「なんであの人は!」と頭の中でずっと戦ってしまう。
- 嫌なことをされているのに、「自分が悪いのかも」と思ってしまう。
- 相手の期待に応えられるように努力しても報われない。
そうそうそうと思った方。
人に振り回されてばっかりっっっ!!!
いつも人に振り回されてしまう理由と、打開策となる暗示がこの本には書かれています。
実は著者の大嶋信頼さんも子供の頃から、人の気持ちを考えてしまって、バカを見て、みじめな気持ちになることを繰り返して来たそうです。
でも、心理学を勉強するようになって、自分なりの解決方法を導き出した方なのです。
読んでみる価値は大いにあるでしょう。
「自分の気持よりも相手の気持を優先したときに相手から振り回されてしまう」現象
“巻き込まれ”というアルコール依存症の専門用語があるそうです。
依存症の人の言葉を真に受けてしまうと、自分自身を失ってしまって相手の感情に振り回される。
それによって苦しくなってしまう状況を表した言葉です。
これをヒントに著者が導き出したのは、
人の言動に振り回されてしまうのは、この“巻き込まれ”が起きている状態です。そこに「上下関係」ができてしまうからだそうです。
解決するための暗示「本音モード」「浮き輪モード」
いつも人の気持ちばかりを考えていると、本音がいえなくなってしまいます。
気をつかっているのに、むしろ悪くいわれてしまう。
そんなときは「本音モード」と心の中で叫ぶと、本音がいえるようになるそうです。
本音をいうことで、状況が変わった例が書かれています。
いえない場合は「浮き輪モード」。
悪いものが流れ込んでくる下層から、上層へと上がっていくことができるそうですよ。
「本音モード」「浮き輪モード」などの言葉に抵抗がある人もいるかも知れません。
これは著者独特の言葉でしょう。
主旨を読み取って、自分に効果のある言葉にアレンジしてみるのがいいのではないかと思います。
解決するための暗示「意外と○○だ」
「自分に対する否定的な考えは、すべて他人の脳から伝わってくる否定的な暗示である」
そう捉え、否定的な考え方をすべて排除してしましょう。
他人からの暗示の特徴は“断定”や“決めつけ”です。
私は疲れやすい、私は嫌われている、人の顔色をうかがってばかりいる など。
それを中和する「意外と〇〇」。
私は意外と元気、私は意外と好かれている、私って意外と・・・。
なんだかとても体が軽くなるそうですよ。
本来の自分に戻る言葉「心よ」
他人のことばかり気にしてしまう人は、本来の自分の感覚がわからなくなってしまっています。
「本来の自分」を取り戻す言葉が「心よ」。
「心よ」と呼びかけ、「本来の自分」にアクセスするのです。
これって有名サッカー選手がやっていることに似ています。
「自分の中のリトルボーイにきいた」
「心よ」でも「リトルボーイ」でもいい。
本来の自分に戻ることの重要性がわかると思います。
次々にわいてくるマイナス感情を断ち切るには
・言葉を覚えたり計算をしたりする「言語性知能」
・パズルを完成させたり、積み木を組み立てたりする「動物性知能」
言語性知能が高いとシミュレーションすることができます。
動物性知能が高いと時間軸による記憶に情報が整理されます。
過去の嫌なことが思い出されて、今あったことのように不快になる。
将来のことを考えすぎて不安になる。
他人の気持ちまで考えて落ち込んでしまう。
言語性知能が暴走して、シミュレーションをたくさんしてしまう。
動物性知能が整理に追いつかず情報が氾濫してしまう。
過去・現在・未来の不安や不快にまみれてしまっている状態です。
これは「言語性知能」と「動物性知能」のバランスが崩れています。
そんなときは「知恵と力の調整!」と7回唱えよう。
※理屈を知り、これが効くと思って唱えると、意外と効果あります。
あこがれの人をまねしてみる
そんなことわかっているけどできないよ~。
これって催眠療法的に見るとものすごい自己暗示だそうです。
それでは動けない。
「あの人のようになりたい」と思って、その人をまねをするのがいいそうです。
以上本書の抜粋でした。
これは著者自身の体験と、カウンセリングを行った方が改善していった経験によるものです。
ある程度の効果は期待できるのではないでしょうか。
感想
振り回されてしまう人は、軸が他人にあります。ここに問題がある。
ぼく自身も他人に振り回されてきてしまった経験があります。
それではいけないんだ、と気づくにはずいぶんと時間を浪費してしまいました。
自分は自分だと断ち切ることが今はできましたが、そこにつらさや難しさを感じている人もいると思います。
他人に振り回さるというのは、自分が常に悪いと思っているからです。
・それは他人から悪い自分のイメージを植えつけられてしまっているから。
・他人から暗示をかけられているから。
そう主張する著者の認識を信じていいと思います。
信じることで次のステップへといける。
自己暗示ですね。
それもあれこれするのではなく、すごく短い言葉を唱える。これも有効でしょう。
あれこれすれば、またあれこれ考え始めてしまう。
本に書かれてある単純な方法で、「心を落ち着けるルーティン」と捉えて実行してみる価値はあるでしょう。
実践することの重要性
実はこの記事は、かつて他のブログサービスにて公開したものです。
そのときにコメントをいただきました。
その方は苦しかった時期にこの本を読んだそうです。
でも、そうかと思うだけで何もしなかった。読んだだけで実行しなかったそうです。
結果を状況は悪くなり、自分を傷つけ心を病んだ。どうやら退職するまでになってしまったようです。
すごく残念に思いました。自分を助けるかもしれない手段があるのに、何もしなかった。
どれほどの良書を読んだとしても、どれほどの優秀なカウンセラーと出会っても、
自らが行動しない人を助ける手段はないでしょうね。
二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。
一人は泥を見た。一人は星を見た。
アイルランドの作家フレデリック・ラングブリッジの「不滅の詩」からの引用。
苦しい状況(囚われている)という同じ境遇でありながら、意思次第で見るものが違ってきます。その後の状況も。
あなたはずっと囚われたままでいますか?
それとも打開しますか?
ぜひ知ったことを試してみてください。紹介した方法はどれも今すぐにできるものばかり。
効果がないのならば、また別の方法を試してみればいい。そうやって自分に有効な方法を見つけてみてください。
自分を見つめ直す訓練が必要です。
マインドフルネス(瞑想)は手軽にできるトレーニングです。
初心者向け:マインドフルネス(瞑想)効果・やり方を知る本